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未来のスマホ充電は「完全ワイヤレス」|部屋にいるだけで充電される!?

近年のスマホは、「置くだけ」「立て掛けるだけ」のワイヤレス充電が普及しつつあります。2020年10月に発売されたiPhone 12では、急速充電に対応したマグネット式ワイヤレス充電器「MagSafe」が大きな注目を集めました。

年々進化するワイヤレス充電ですが、次のステージとして「完全ワイヤレス充電」の実現が噂されています。本記事では、スマホの完全ワイヤレス充電がどんな技術なのかを紹介します。

スマホの完全ワイヤレス充電とは?スマホ充電の究極形

完全ワイヤレス充電とは、その名の通り「完全な無線状態での充電」のことです。

これまでのワイヤレス充電は、「置くだけ」「立て掛けるだけ」が主流でした。ワイヤレス充電と言いつつも、ワイヤレス充電器とセットで使う必要があります。

そして次世代の充電技術として開発が進んでいるのが「部屋に入るだけ」の充電方式です。部屋のどこかに給電装置を設置し、スマホへと遠隔で電力を届けます。

完全ワイヤレス充電が実現すれば、そもそも「スマホを充電する」という概念はなくなります。部屋に入るだけでスマホが充電されるため、充電器を手元に用意する必要すらありません。

完全ワイヤレス充電は、これまでの充電の概念を覆す技術です。

完全ワイヤレス充電の鍵は「マイクロ波方式」

現在市場に出回っている「置くだけ」「立て掛けるだけ」のワイヤレス充電器には、「磁界結合方式」が採用されています。磁界結合方式では、2つのコイルを利用した電磁誘導で電力を生み出しています。高速で大容量の電力を給電できる一方で、給電距離は数センチ程度です。よって、スマホと充電器を近づけなくては充電できません。

完全ワイヤレス充電を実現するにあたり、注目されているのが「マイクロ波方式」です。マイクロ波方式では、電波を電力に変換することで給電を行います。最大の特徴は、数m先の物体にまで給電できる点です。つまり給電装置にスマホを持って近づくだけで、充電が可能となります。

完全ワイヤレス充電の開発現状

スマホの完全ワイヤレス充電は、2020年時点では製品化されていません。しかし既に、実用化の準備は進んでいます。

NTTドコモのイベント「DOCOMO Open House 2020」では、約2m離れた場所からワイヤレス充電できるスマホ用受信機が展示されました。ただし本展示品は、従来の1/10程度の出力にしか対応しません。マイクロ波方式は距離が離れるほど出力が落ちるため、実用化にあたっては給電効率の向上が大きな課題です。

給電効率の課題が解決されれば、完全ワイヤレス充電の実用化はそう遠い日ではないでしょう。

まとめ

部屋にいるだけでスマホが充電できるようになれば、そもそも「スマホを充電する」という概念はなくなります。充電の煩わしさがなくなり、スマホの利便性は更に向上するでしょう。

完全ワイヤレス充電は、現時点では開発段階です。しかし技術課題が解決すれば、実用化の日はそう遠くはありません。完全ワイヤレス充電の動向に注目しつつ、実現する日を待ちましょう。

【参考】

・OMRON 電池不要なワイヤレスセンサ向けマイクロ波安定給電技術の開発

https://www.omron.co.jp/technology/omrontechnics/2020/20200109-murai.html

・価格.com マガジン 2,000mAhのバッテリーを6分でフル充電、ドコモが見せる近未来の注目技術

https://kakakumag.com/pc-smartphone/?id=14963

・ケータイ Watch 「置くだけ」の次は「部屋に入るだけ」、ドコモが遠距離ワイヤレス充電技術を実演

https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1230791.html

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