2018.06.05【今さら聞けない】「WiFiと携帯の電波」の違いとは?
「家ではWiFiで、外では携帯電話の回線でネットに繋げてくださいね」
携帯電話ショップや家電量販店で、このような説明を受けたことはないでしょうか?
しかも、WiFiを使う場合は、画像も動画もたくさん見ても良いとか、携帯電話の回線は使いすぎると遅くなるので、YouTubeは控えめにして下さいね、なんて言われなかったでしょうか?
WiFiも携帯電話の回線も、ネットにつなげる回線であることは分かるけど、一体は何が違っていて、どのようなメリットとデメリットがあるのか?そんな両者の違いについて解説していきます。
そもそもWiFiとは何か?
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WiFiはアメリカからやってきた
WiFiとは、米国の「Wi-Fi Alliance」という団体によって提唱された、スマホやタブレット、PCなどの各デバイスを繋ぐ「相互接続の国際規格」のことです。WiFi接続中は、各デバイスに扇子型のWiFiマークが表示され、この時は携帯電話回線に接続されていても、WiFi通信が優先されます。
Wifiの歴史
現代の家庭用インターネットの主流は「光回線を無線で使うこと」ですが、つい数年前までは、光回線のケーブルを、直接PCに差し込む必要がありました。
ルーターと呼ばれる機械から、光回線をPCに繋ぐのですが、その接続が有線(ケーブル)なので、接続できるPCの数は「ルーターに設置されているケーブル差し込み口の数」に依存していました。つまり、ケーブルの口の数しかインターネットに接続できなかったのです
さらに、スマホやタブレットなどの、そもそも光回線の差し込み口がない機器は、光回線につなげることすら出来ない状態でした。
回線の無線化
そして、このような問題を解決するために生まれたのが「WiFi」です。
今までのルーターに、無線接続の機能を追加して、ルーターのケーブル差し込み口に依存せず、複数台のデバイスをWiFi上で相互接続することが可能になりました。
スマホやタブレット、PCというデバイスの形状に関わらず、WindowsやMac、iOSやAndroidに関わらず、WiFiという規格を満たす機器であれば、無線接続のルーターを介してインターネットに繋げることが可能になりました。
つまり「WiFi」とは、ルーターの無線接続を介した、デバイスの相互接続のことで、一般的には固定回線のインターネットを無線化することを指します。
Wifiとは
ここでいう固定回線とは、例えば自宅の固定回線、街中のオフィスやカフェの固定回線、公共施設などの固定回線のことです。特にカフェや公共施設などの固定回線を無線化して、一般向けに解放されているものは「公衆無線LAN(WiFi)」と呼ばれています。
ちなみに「ポケットWiFi」と呼ばれるものは、次の章で説明する「携帯電話回線」を用いた、WiFi接続のことで、固定回線ではないのでデータ容量の制限があります。
携帯電話がネットに繋がる仕組みとは?
携帯が最初にネットにつながった国
今でいうスマホ、つまり携帯電話が世界で初めてインターネットに接続された国は、なんと日本だったことをご存知でしょうか?
実はdocomoの「i-mode」こそが、世界初の携帯電話インターネット接続システムだったのです。当時は携帯電話でネットが見れたり、メールが送れたりする事は、世界の先端技術でした。
世に携帯電話が出始めた頃は、音声信号しか送ることができず、いわゆる「電話」としてしか機能しないものでした。これを「第1世代」と呼び、音声データはアナログデータとして処理されます。
デジタル回線への移行
しかしその後、データの主流はアナログからデジタルに切り替わり、それまでの音声データもデジタル化が可能になってきたのです。そんな中「第2世代」の携帯電話が生まれ、デジタル化の恩恵によって、速度はかなり遅いですが、音声データ以外のデータも携帯電話で送れるようになりました。そしてこれは後にdocomoが「mova」と呼んだサービスです。
そんな「第2世代」が一通り普及して熟成した頃、ついに満を満たして登場したのが「第3世代」いわゆる「3G」と呼ばれる通信方式です。この3Gのことを、docomoでは「FOMA」と呼び、そのFOMA最大の特徴が「i-mode」だった訳です。
この3G規格が一般化したことで、携帯電話のインターネット接続数が爆発的に伸び、結果としてiPhoneなどのスマートフォンが生まれたのです。
4Gへの移行
つまり、携帯電話がネットに繋がるようになった要因は、アナログデータからデジタルデータへの移行であり、音声以外のデータも、携帯電話の電波を使って送れるようになったからなのです。
現代では、通信規格は「第4世代」の「4G」が主流で、次世代規格の「5G」が出ることも決まっています。
WiFi VS 携帯電話回線の比較
ここではWiFiと携帯電話回線の特徴や、それぞれのメリット、デメリットを説明します。
WiFiの特徴
光接続などの固定回線を用いた、高速かつ大容量のインターネット回線に無線で接続できる。
WiFiのメリット
- 速度が速く、通信容量に制限がない(使い放題)
- どの時間帯でも通信速度が比較的安定している
- 複数台のデバイスを接続しても速度が落ちにくい
WiFiのデメリット
- 大元の固定回線を引くまでに手間がかかる
- 無線が届く範囲は決まっているので、場所に依存される
- セキュリティ対策を施さないと悪用される可能性がある
携帯電話回線の特徴
携帯電話の回線を使っているので、サービスエリア内ならどこでもインターネットに接続できる。
携帯電話回線のメリット
- 携帯電話会社のサービスエリア内なら国内外問わずに使える
- 契約したその日からすぐにサービスが使える
- 固定回線のように回線を引く手間がない
携帯電話回線のデメリット
- 通信が込み合う時間帯は速度が遅くなる
- サービスごとに通信容量が決まっていて、オーバーすると速度がかなり遅くなる
- 動画などのデータが大きいものや、PCの接続にはあまり向かない
以上の特徴から、動画を見たり、PCでじっくり作業する場合はWiFi、外出先でブログやホームページを見たり、SNSやメールをする際には携帯電話回線という使い分けがベストです。
例えば、外出先で動画を見たい場合は、家にいる間に、あらかじめ自宅のWiFiで動画をダウンロードしておく、外出先のカフェのWiFiを使って動画を見るなどの工夫をすると、携帯電話回線の通信容量オーバーを防げます。
これはつまり、冒頭でお話しした「家ではWiFiで、外では携帯電話の回線でネットに繋げてくださいね」という話につながります。
これからのWiFiと携帯電話回線
現時点では固定回線のWiFiはデータ容量に制限がなく、携帯電話回線にはデータ量の制限があります。
しかし、2020年に開始予定の次世代携帯電話網「5G」においては、携帯電話回線で光回線以上の速度が出せて、データの扱える幅もいまより段違いに増えるので、固定回線のWiFiと、携帯電話回線の垣根がなくなる可能性があります。
家ではWiFi、外では携帯電話回線というよりは、いつでもどこでも高速インターネット回線が気兼ねなく使える世の中になるかもしれません。
スマホが主流の現代は、WiFi接続も携帯電話回線も、ユーザーが自由に選んで使えます。自分が何をしたいのか、どのような用途に使うのか、それを把握した上で、最適な接続方法を選び、賢くインターネットを使いましょう。
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